水溶性切削液は概ね90%以上が水で構成されており、原液の数%で水の欠点を補うように 設計されています。(潤滑性、浸透性、さび止め性、耐腐敗性など) 安全性や作業環境に優れた反面、大部分が水なので原液で扱う不水溶性切削液と異なり、 錆や腐敗の問題を生じやすく、良好に使用する為には適切な管理が必要になります。 その中でも水溶性切削液の濃度管理は特に重要です。 水溶性切削液の濃度は、各種性能と密接な繋がりがあります。 濃度が高い場合は…泡の発生、冷却性能の低下、希釈不良、手荒れ 濃度が低い場合は…腐敗の促進、潤滑性能の低下、さび止め性の低下 などの問題が起こる可能性があります。 性能維持の為、日常的に適正な濃度で管理して頂く事が最も重要になりますが、 日常的な濃度管理については、糖度計を用いた濃度測定が簡便かつ効果的です。 ただ、油剤それぞれに係数が設定されている為、糖度計の数値=実際の濃度と異なる 場合があるので、まずは使用油剤の係数を把握する事が必要です。 また、こまめに補給を行う事、補給濃度を一定にする事、どちらか一方だけ補給するので はなく水と原液を合わせて補給する事、等を行って頂くと濃度がより安定します。