アルミニウムは、酸にもアルカリにも反応する両性金属です。 水溶性の切削油はさびや腐敗を抑制する為に弱アルカリ性を持っており、 アルミ合金と反応して変色を起こす可能性があります。 通常、アルミはph3.9〜8.6の領域では殆ど影響を受けませんが、 アルカリ領域においてはpH9.0を超えた辺りから、急速に腐食しやすくなります。 また、アルミの酸化被膜は塩化物イオンによって破壊される為、塩化物イオン濃度も アルミの腐食に大きく関係します。 アルミ合金の種類によっても、変色のしやすさが異なります。 A1000系は酸化被膜が安定な為、変色しにくいですが、A2000系、A7000系は 変色しやすいアルミ合金になります。 一般的な傾向として、アルミ合金は重金属(Cu,Zn,Fe,Crなど)を多く含む材料ほど 変色しやすい傾向があります。 一方、銅自体は耐食性が良く、pH7.0〜12.8の間では安定で、腐食しにくい金属ですが、 酸によって容易に変色します。また銅は硫黄と反応しやすく、油脂やエステルも変色の 原因になる事があります。 銅合金には、黄銅(真鍮)、青銅、白銅等がありますが、このうち亜鉛との合金である 黄銅、スズとの合金である青銅は、亜鉛・スズが両性金属である為、アルカリ環境下で 変色する可能性があります。