さびの原因は、現場の環境条件により無限大といえるほど多種多様ですが、 「水溶液中の金属のイオン化と酸素の還元の化学反応で起こる」という現象自体は、 原因は違ってもどれも概ね変わりありません。 さびの始まりは、まず金属表面に水分が付着する事から始まりますが、最もさびが進行しやすい条件は、細かい水の粒子が付着する状態、 酸素を充分に溶かした水の微粒子が金属表面で薄い水膜を作る状態です。 更に現実の錆の発生には、水と酸素の他に大気中に含まれる汚染物質が必要で、 その中で最も主要な物は食塩粒子(塩化物イオン)と亜硫酸ガスです。 よって、現実におけるさびの予防的対策も、1.水 2.酸素 3.汚染物質を、現場の中でどうコントロールするかが重要なポイントになります。 さびの発生を抑制する為に、最も確実な方法は「乾燥」です。 室内の相対湿度を下げ、更に空気を清浄にすればさびの抑制に大きく寄与します。 結露を防止する為、金属表面を外気より少し高い温度に保つ事も効果的です。 環境面からの対策が困難な場合は、一時的な防食法として、さび止め油剤や気化性防錆剤を使用する方法もあります。 また、金属表面を保護する為、半紙などで製品を包んでいる場合がありますが、 これは、毛管凝縮により梱包材と接触している部分がさびる危険性が増すのでさび防止には逆効果です。